ビール

実に不思議な飲み物...だと思いません??


中学二年生の冬から親父が突然「酒の小売業」を始めた。
それまではお爺さんが始めた「酒・醤油の問屋業」をおじさんと一緒にやっていたのだが、独立した訳です。


ウチの親父も呑兵衛だったため、家には必ずビールやお酒があった訳ですが、中学2年生の前に突如現れたお酒の在庫は不思議な世界でした。
「こんなにたくさん呑む人達がいるんだ...」なんてね。

そして気がつくと店の立ち呑みカウンターは毎晩多くのおじさん達で賑わった。中学生ながらお酌をして色んな人達の話を聞くのが面白かった。
そこにはヤクザのオニイサンも居れば、コンピュータ関連のホワイトカラーのオニイサンもいたり。そんな人達同時で野球の話で盛り上がったり。


関西、とくに灘・伏見の酒どころに近いところで育ち、お爺さんが酒の問屋をしていたこともあり、冬になると家には必ず「酒かす」が大量にあった。

それをストーブの上においた網で焼きながら砂糖を包んで食べる...季節のおやつとして食していたため、小さい頃からアルコールには免疫ができていた。

当然の様に中学2年生ながら、店のシャッターを下ろしても粘るお客さんから水揚げをあげるべく、「おごり」で呑むようになるわけです。
その頃はもっぱら日本酒を呑んでいたのですが、さすがに次の日=通学が辛い(苦笑) こりゃ、もっと軽い飲み物を呑まねば....まるで夜のお勤めをしているオネエサンの様な心境になっちゃいました。
しかし、その頃はまだ酎ハイなどという軽くて飲みやすいものがないため、ビールを飲むことに決めたのですが....これが苦くて呑めない。


「温泉などでお酒呑むとオイシイらしい...甘く感じるのかも??」と考えた私は両親が外出した夜、お風呂にビールを持ち込んで呑んでみたのですが.....苦い!!!
まぁ、当たり前のことなのですが、中学2年生の子供にはちょっとムリがあったのでしょうねぇ。



しかし、いつの間にかビールも呑める様になるほどスクスクと育ち、もはや酒類で呑めないものがなくなるのにほんの数ヶ月しかかからなかったのです。


慣れって恐ろしいですよねぇ



いまから考えれば、ビールやお酒はいくらでも呑めるのに、水やジュース・ソーダって飲めないのがすごく不思議。まぁ、酒類は利尿効果があるからなのでしょうけれど、不思議ですよねぇ。



しかし、一体ビールなどというものを最初に呑もうと思ったのは誰なのでしょう??
一説によるとエジプト王朝の時代からすでにビールはあったらしいのですが、そのころは冷蔵庫もない時代。しかもいまの様な「スカッ」とした製法ではなく、どちらかと云えば「喉越しムチャ悪い」代物だったのですからねぇ。


先週の土曜日、ここにコメントをくれる「ひろさんと彼女」ウチの嫁さんの4人で高槻のお祭りに行ったのですが、地ビールの生ビールだけですでに2醸造元から3ブランド出ていました。結構地ビールメーカーの生ビールらしく特徴があるものの、スッキリした喉越し。
お祭りの人いきれと熱帯夜の中、市役所の前で4人立ち呑み状態で呑み、まだ足りずにクーラーの効いた店でワインや焼酎などを呑みながらそんなことを思い出していた私です。



ビールが美味しい季節にビールの黎明期のことを考えながら呑むのもよいものですが、体にはくれぐれも気をつけましょう。


お陰で今日は体がダルイでぇ〜す。