成長する恐怖

髪の毛だったらいいんだけれどねぇ〜(苦笑)




私にとって、世の中で「絶対に死滅して欲しいもの」といえばゴキブリである。不潔であり、陰湿であり(性格かどうかは知りえぬが(笑))、しかも....圧倒的な勢いで増殖するのだから....
「ねずみ算」なんて小学生の算数にあったが、もし「ゴキブリ算」があるとしたら大学院生向けの超高等数学になりそうなぐらい、予測不能・膨大なる増殖計算となるに違いない。しかも、増殖することを計算するだけでは事足りず、条件設定として人間x人がyヶ月後生き延びる人数を求めるような計算術になるはずだ。(と言い切ってしまう、ウン(笑))



ゴキブリのことを考え出すと、冷酷な上司、手前勝手な隣のババァ、訳のわからぬ女子高生の群れ...そんなもの全てが羊の群れに見えてしまうから不思議だ。

[*注:この話はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係がありません(笑)]




ゴキブリぎらいになったのは、たしか...

オルガン教室

小学生の低学年の頃、近くのオルガン教室に短期間通っていた。
世の子供の例に漏れず、私も「猫ふんじゃった」が弾けるようになっただけの自分をオルガンの天才と思い込み練習をサボってばかりいた。

当然、オルガンの先生はいい顔をしない。

「いいもん、オルガンなんて弾けるもん!!」

プイっと教室から逃げ出した私。
よっぽど怒っていたのだろう、異変に気がつかないまま...


家に帰り着いた私はようやく足の痛みに気がついた。
靴を脱いでみたら...靴の中に忍び込んでいた大型のゴキブリを踏みつけ、あろうことかその足が私の足の裏に刺さっていたのだ...初めて見る自分の血にその場で気絶した...


これだけなら、ゴキブリだったのかどうかさえ覚えていなかっただろう。
悪いことは更に続く。

痛いよぉ〜

その数ヶ月後...朝早く目覚めた。

股間が異様に痛痒い。寝ている間に掻いたのか、手の爪にうっすら血がにじんでいる。その血に押される様に、起き上がり朝日でほの明るくなりつつある窓際でパジャマのズボンを下ろしてみた....


ギャ〜!!!!!!


私の股間...金○マの部分から太ももの内側にかけて血で真っ赤に染まっていたのだ。私の状態に母親がいった一言...
「ぼっかぶりに咬まれたのよ....」
[*注:ぼっかぶり=関西弁のゴキブリ]

そしてナゼか「メンソレータム」を塗りたくられ、皮膚呼吸ができなくなった私の股間は余計に切なく痒くなったのであった...


そしてその30年後、アレはゴキブリではなく、幼児性のヘルペスだったのだと、母のいい加減さを知った私であった。が、時すでに遅し(苦笑)


そんなこんなでゴキブリを憎悪する気持ちが高まるとともに、ゴキブリ=天敵視するように成長していったのだったぁ。

でもやっぱり怖いぞ!!

大人になり、若干ゴキブリに対する恐怖と憎悪は治まっていったものの、苦手意識はいまだに拭い去れていない。


10年前、香港に赴任した最初の夜にソレが襲ってきた。


当時、3人の前任者が住んでいたのだが、私は当然緊張していた。フライトの疲れとアルコールの力を借りてなんとか横になったのだが....


カサコソ...カサカサカサ....コソコソコソ.....

頭の上にある壁の辺りから何か音がする。
最初は夢見心地で「妖精がダンス」している姿を夢の中でみていた。

確かに頭の上においた手の甲の上で何かがダンスして....いる訳ない!!


頭の中の非常灯がグルングルン回り、警笛が頭の中をコダマしだした。


あわてて電気をつけてみると...壁面に5匹の黒光りしたスゴイ奴等が集会をしている。ボスらしき奴は体調5cmは越えている。向こうもこちに気づいたのか突然動きを止めて息を呑んでいる。

[最初に動いた方が負けだ...]

真剣にそう思った(笑)

しかし、足の数の違いはどうしようもない。
つま先立って堪えていた足のかかとを付けた瞬間.....


バラァバラァバラァ〜


ちょっとしたヘリコプターのローター音宜しく、5匹が離陸した。彼らを苦手な私であったが、その一糸乱れぬ離陸に阿呆の様に魅入ってしまった程だ。


そしてその後、天井の蛍光灯の周囲を5匹編隊で周回し出したのだ。
1分、2分...5分、疲れを知らぬ彼らは周回し続ける。


こんな状態で眠れる訳が無い。

[電気を消せば、飛ばないか?]
[いや、また壁面でのダンスになるだけだ]

電気も消せず、眠ることもできない私にできる道はただ一つ、部屋から逃げ出すことだけだった。(笑)

こうして、ソファの上で香港最初の夜を迎えたのだった....
1997年5月15日 熱帯夜の様な暑さ、エアコンを効かしても、「革張りのソファで寝るということは実に寝苦しいもの」だと思い知らされた。

このように、私のゴキブリ嫌いは定期的にブラッシュアップされ、永遠に消えないよう大脳に深くインプットされていったのであったぁ〜(笑)


誰かゴキブリ好きの人っています??(苦笑)