健康保険について思う
保険っていっても国によってまちまち
自動車保険にしろ、火災保険にしろ、生命保険にしろ、「保険」っていうのは『出資者の総額の中で運営していくもの』という気がするのです。
が、健康保険...日本とか保険先進国といわれる国においては...だけはどうもそうではない。
足りなくなれば税金から補填したりしてもいいものの様で...
「利用者負担の法則」=資本主義の原則から逸脱して、社会主義的保険となっているんですよね。いまさらながらのことですが...
弱者保護ということは分かるのですが、だからといって政府が運営するとロクなことがない。
『親方日の丸』意識だから正しい運用ができない。
原資に対する必要額の算定..しかも数年・数十年先の読みができない。
結果破綻する。
社会制度の充実は重要だけれど、社会制度の充実を取ろうとした国って余り繁栄できていないのではないでしようか?
北欧圏も社会制度が充実しているものの、国力的にはもう一つな感ありますよね?
多くの先進国の保険制度って、民間が扱う「生保・損保」に近い。
国によっては香港の様に「会社ごとに健康保険を完備せよ」、という取り決めはあるものの、その内容は会社によって様々。
一応の最低ガイドラインはあるものの、会社によっては本当に厚い制度となっており、人材採用時の会社評価の指針となっている場合もある。
香港での健康保険とはこうだ。
会社掛け保険の一例
従業員一人辺りの年間補償限度額=一人当たり掛け金 3,000ドル
- 個人払い 1,500ドル/年
- 会社負担 1,500ドル/年
- 一回通院すると最低200ドル使用、健康保険に請求すると180ドル保険から払い戻される
- 役職によって、a.奥さんまで、b.奥さん+子供一人...と家族も対象となる(=従業員にすれば、会社負担分年間1,500ドル/人お得ということになる)
- 年間で会社全体の補償した額を計算して、当初の掛け金より越えれば次年度その分だけ割高になる。
って、単純にいえば会社の社員数+家族人数合計で、一種の「講」を形成しているだけともいえるが...
会社とすれば、掛け金を低くして負担を下げたい。
ならば、普段から健康に留意する様に従業員しむける必要がある。
従業員としても掛け金を余りとられないようにするには、病院に行かないこと=病欠しないことを心がけなければならない。
このポイントをついて、「無欠勤表彰」(もちろん寸志などつけて)をしたりする訳だ。
こういう会社・個人に責任を持たせて、自己改善をすることで病院に掛からないで済む活動が大切なのだが...日本ではそうは行かない。
ましてや...香港では病院も千差万別。
料金の安い公立病院はいっつも一杯。
待ってられない人は高い高い料金を払って私立病院にいきなさい。
これも良し悪しだけれども、日本の様に「どんな病院いっても初診料変わらない」「通院費も変わらない」「入院費用もよっぽどの病院で無い限り変わらない」これって、一種のカルテルじゃない?(笑)
結局「万人に等しい、安価なケア」を施すために、病院間の競争という切磋琢磨がなくなっちゃって、気がついたら高い費用を個人・国ともに負担させられる羽目になっちゃってる。
逆に一生懸命保険点数の掛からない様に頑張っている病院は火の車だし、マーケット的に成り立ちにくい過疎地の産婦人科の様な有りがたい病院はしんどいばかりだし。病院によっては利益主義のためなのか、労務管理が行き届かず優秀なお医者さんを過労死させているし...
病院に働く人が過労死になるって...野戦病院並みと思うのは私だけ??
いっそのこと、少しでも民営化しちゃえばいいのにねぇ。
健康保険を民営化すれば、「1年間使用しなかった人は翌年の保険代を10%ずつ安くする」とか、逆に「多い人は5%ずつ多くする」とか。もちろんそこには救済措置が必要ですから、国からの貸付をするとかねぇ。でアテにならないけれど将来の年金支給額から引くとか...(ちょっとムリがあるか)
まぁ、使用額の多い人の問題は難しいのでさておき、健康な人にはもっと健康になってもらう=日ごろ身銭で健康管理やケアをしてもらう習慣を付ければいいのでは?
病院もついでに変えて、軽い病状で毎朝サロンの様に使われているお年寄り用には、準病院みたいな「老人科」病院を作っるってのはどう?
知識や経験はあるけれど、体力的に通常勤務が難しくなってきたお医者さんや看護婦さんを主軸として、インターンを貼り付ける。
バリバリのお医者さんじゃないから、人件費も安い。人によっては「そこそこの年金もらっているから、給料なんて要らん」という奇特な方もいるはず。
新しい病院を建てたらお金が掛かって仕方ないので、最近使われなくなりつつある公民館を活用。
開業時間は午前中だけ。なんだったら6時ぐらいから初めてもいいよね。
公民館の朝の利用率なんてまず低いからバッチリ。
もちろん基本的には、1〜2カ月に1回ぐらいは通常の病院で診療をして、その結果を老人科病院にフィードバックして、推移を見たりお薬を出したりするわけですよ。「忙しくて話聞いてくれない若い医者より、誠実な対応してくれて話の合う老人科医師の方がいいでしょ?」なんていってね。
老人科の人件費や設備費は限りなくゼロに近づくわけですから、別の保険点数精度が取れる=安くなる!!
もちろん、定期的に老人科のお医者さんや看護婦さんの健康もチェックしてあげなきゃ、それこそ「医者の不養生」になっちゃうから要注意。
これだけでもかなり健康保険の浪費が防げると思うのですが...
ついでに病院側から請求される保険点数のチェックも民間にしちゃう。
不正、不必要な薬の処方をあげている病院は保険使用停止処分にしたりしてね。そうすりゃまともな診察せざるを得ない!!
そんなに簡単にいかないか、やっぱり!!!(笑)