短編シアター『Forever young』

あなた若いわねぇ〜 うらやましい!!


TVタレントという職業柄「いつまでも若く」見られることが重要なのだが、その維持には並々ならぬ努力が必要。
元々食事・睡眠時間がままならぬ業界であり、内臓疲労から来る老化が一番の大敵なんだよ。
メイクアップ室の中では今日も老化予備軍のおしゃべりが続くわけ。

曰く、
「目の下の袋が最近黒ずんじゃってさぁ」「頬の貼りがさぁ」「Aさん最近整形したらしいわよぉ、これで何回目??」「あ〜あの子はムダムダ。だって元が悪いんだからさぁ」
こんな会話を20歳前後のタレント...むくみ、しみだらけの素顔が語るのだから怖いよぉ。



年齢と見た目とは必ずしも相関関係で結ばれているものではないようだね。
例えば10代では大人びていたが、30台に入ると逆に若く見える。そんなこともままあるものらしい。
その例が私。
元々映画俳優に憧れていた私にとって、10代の頃は人より大き目のガタイと、何よりも「少し大人びた憂い」のあるルックスが幸運をもたらしてくれたんだ。
それまで芝居の経験も下地も何もない私...はっきり言おう、大根役者でしかない私が銀幕のスターになれたのはこのルックスのお陰さ。
「台本(セリフ)の要らない主役スター」と揶揄されたものだよ。

その頃の配役は決まって20代後半。名俳優であったとしても、年端も行かない若造には所詮ムリがある配役だとおもわないかい?

それが30代半ばの現在も20代...二十歳前後を演じる時もあるのだから驚くよ。
それほどルックスが若く見えるのだろうかねぇ?
もちろん大根などとは言わせないよ。これでも20年近くこの業界で生きてきたのだからさぁ。
現在は「向かうところ敵なし」...のはずだったのだが...



最近妙なことが続いているんだよねぇ。
まず最初に気づいたのが「夢精」。いや、もちろん私もまだ30代半ばであり、性的にもまのだパワーはあるよ。しかも連日のスケジュールで性的ストレスを発散できず、夢精が起こるなんてことも無いとは言えないよねぇ。


しかし...だ。


毎日、起きてみると下腹部に冷たいものを感じたらどう思う?
撮影の本番中にも勃起してくるから困った問題さ。もちろん事前に絞っておく...(笑)...なんて対策はとっているけれど、どうしようもないんだよねぇ。


その他にも髪の毛が増えた、伸びるスピードが速くなったなんてこともあるけれど、一番驚いたのが声さ。

普段は自分の出た作品を見ないことにしているんだけれど、この間偶然TVでわたしの主演映画をやっていてさぁ、見るとはなしに見たんだよね。
で驚く事実を発見したんだ。


その映画は5年前のものだったんだけれど、「声」がいまと違うんだ。
なんていうかなぁ、明らかに低いんだ。
というか今が高すぎるっていうのかなぁ。明らかに昔..若い頃の声の高さに近いんだ。


そして身長もこの数ヶ月で縮んでいるのか、スーツの丈が長く感じる様になっているんだよ。


これって何かの病気ですかね? お医者さん??<暗転>

ティーブンキングの「痩せゆく男」をパロッた感じの「若返り版」な訳ですが、これも怖いでしようねぇ。


最終的には意識が消え行くなか幼児から赤ん坊になっていく。病院ではなすすべもなくミルクを与えるだけの対応。
そして最後には跡形もなく消え去る。
体さえ残らずこの世から消え行くイメージは正に衝撃ものであることでしょう。


話を元に戻して、ムリなダイエットやエステで体を痛めるよりも、自然でいるべきかも知れませんね。