出会い

marktheshadow2006-07-14

ハッタリで始まる縁もある(笑)



最初のコンサルタント会社に入ったのはフリーター経験をした後、25歳の夏だった。
突然入社面接に呼ばれて行ったものの、よくよく考えれば大学で就職活動をしなかった私にはどう対応して良いのやら全くわからなかった。
面接にとまどい、筆記テストが全く書けない自分に愕然とした。

[ええい、ハッタリかますしかないがなぁ!!]
「なぜこの会社に入りたいか」「どれだけ自分は有益な男か」即興で口一杯語り、テストの回答がかけない理由を実しやかに記述し....で、通った。

後日談では紹介者の顔もあるし、元気でオモシロそうなニイチャンだから「まっ、一応採っておこか」ということになったらしい。(苦笑)


こうやって、社会人生活一日目から、「出たとこ勝負、カマシ一発」な私が発露したのだ。(笑)



そのコンサルタント会社では、30歳前で「中堅」となる。
下仕事から解放され先輩のヘルプを受けながらのコンサルティング活動を経験した後、一人コンサルタントとして認められる。
一人前になる年齢が30歳前ぐらいだった。


それなりに勉強・経験を積んでおり、ちょっとやそっとのことではたじろがないものの、見かけは騙せない。
ワザと太って貫禄を付ける者。ピンストライプのスーツで貫禄を付けようとするもの、色々だった。しかし、これらは単に初対面のお客の第一印象の受けをよくするためのものであって、結局は実力がものを言う世界。
結果を出せなければ、外見をどうつくろっても同じこと。「それよりも...」新しい客先へ赴く度に、コンサルタントとして成功する対応法が見え出した。

ひょっとすると、「あがらず、その場の空気を読み自分に引き付け、いつもどおりの仕事環境を作る『平常心』『状況考察力』や『話術』」がまずは必要なのかもしれない。


そうその時、私の中でこれらを称して「ハッタリ力」と認識しだした(笑)


業界や会社によって「一人前になる年齢」は異なるが、一人前になるということは孤独な戦いでもある。そして一人前になった途端、今までと異なった幅や質の仕事が舞い込む。
それがまた自己への挑戦をかき立てるとともに、孤独な戦いを強いる。
私の場合、最初の異なる質の仕事がPHP社の教育ビデオシリーズの「シナリオ執筆」という形で訪れた。


社会人になってから、「書くことが好きな自分」を見つけた。
ワープロやコンピュータのお陰であるが。
好きならばやれるはず...と安易にオーダーを受けたのだが「シナリオってどう書けば良いのか?」基本的なことを知らない自分に気がついた。(笑)

担当者との初対面で焦った。(苦笑)
心の中では「いまこそハッタリをかませ!!」とささやいていた。
相手はどう見ても生まれ育ちの良い、IQ値の高そうな有名大学出身者らしいものごしである。

[俺よう考えたら、何の知識もないやん、アカンがなぁ...ええい、まずはどんな原稿用紙使っているかだけでも聞き出さにゃ!!]


mark:「すみません、シナリオ用原稿用紙はいただけますか?」
担当:「どんな形式でも結構ですよ!!」
mark:「いや、シナリオの内容が濃くなると思われるので、そちらが使い慣れた原稿用紙の方が良いかと思いますよ」
担当:「そうですか、ノウハウの塊みたいなシナリオになるなら、その方がいいですね」




[アッチャー、やってもうたぁ。自分にプレッシャーになるような事言うてどないすんねん!!]
[でもまぁ、このオニイチャン話は分かってくれそうやなぁ]
[ほならついでに、書き方のアンチョコでも手に入れにゃ...]


mark:「それと過去のシナリオの例を1セットコピーいただけますか?!」
担当:「そうですねぇ、テロップの入れ方や指定方法は統一しておいていただければありがたいですからね」
mark:「さすが理解が早い!!」(笑)


[なんや、そのシロップちゅうのは...蜂蜜から何か原稿に垂らすんかいな...(笑)]
[ってそんな事より、せなか中に垂れている冷汗の方が大変やがなぁ〜]


こんなハッタリとともに(笑)ジャンルの異なる仕事を開始していくわけです。
仕事を開始すること=新しい付き合いの始まりでもあります。
とにかく、私一人がビデオ・プロジェクトのど素人であり、逆に中枢でもあるわけですから人一倍努力しなければならない。その重圧感に引き立てられて、シナリオ執筆だけでなく撮影・編集の現場にも立会い、目で肌で吸収して全体に及ぶ理解を会得していくしかないわけです。
そうした私の懸命さに担当者がほだされ、付き合いが深まっていく。



でわかったことは、その担当も私と同い年。
事実が分かると急になれなれしくなるのが私らしいところ。(笑)
オファーもないのに、もう次のシリーズの構想を担当者に語りはじめている私がいる。
これもハッタリ(笑)


多かれ少なかれ、出会いの瞬間には「自己表現」が必要ですよね。
人によってその手段や取組方は違うものの、緊張しますよね。
昨日まで全く見ず知らずの他人同士が、「ある時」「ある場所で」「あることをきっかけ」に付き合いをはじめる訳ですから。私の場合、その最初に機能する「ハッタリ」が重要なファクターなんですよね。(笑)




素晴らしい偶然の出会いを大事にしたいですよね。

本日のおさらい

mark的には『平常心』『状況考察力』や『話術』のリンクによる芸術的・初対面対応法を「はったり」と呼ぶ。(笑)
mark的には、他人を騙し貶める意味は含んでいない。[念のため](笑)<<