聴覚考

marktheshadow2005-07-07

【聞こえない音も大事な聴覚情報】
 

視覚・嗅覚....ときたら、やっぱり聴覚ははずせませんよね。ということでセットメニューの最終は聴覚。

視覚はダイレクトな情報をインプットするレーダーの役目。
嗅覚は視界に隠れた詳細情報をインプットするアナログチェッカー。
では聴覚は....嗅覚に近い器官ですよね。

嗅覚は他の器官....味覚とシンクロしセット情報としてインプットされることが多いため「強いインプット」として記憶されることが多い様に思います。例えば「甘い香り=クリームの味」「ケムリ=炭の苦さ」などの様に、対として記憶され臭いとともに味覚まで呼び起こされることが多いものです。
しかし聴覚はどうでしょう。

車のブレーキ、踏み切りの音など危険音は咄嗟の判断の材料
音楽や波の音...過去の記憶につながる場合がある
その他の雑踏、雑音...慣れると気にならなくなる

嗅覚と比べると、直接的......より視覚に近い様な気がします。

レイ・チャールズの伝記映画の中で主人公がこう説明します。
「目が見えないけれど、耳がその役目をしているんだ」「足の音だって、床の音もあれば他の音もあるし」「ほとんどの音が情報を含んでいる。それを耳で見るのさ」みたいな感じだったと思います。

嗅覚が視覚の中で隠れている情報だとすると、聴覚は視覚を補足する情報とでもいえるのではないでしょうか。目で見て耳で確かめて...ということを日常無意識に行っているのでしょうね。
例えば、渋谷の駅前で車が騒音を撒き散らしながらどんどん通り過ぎ、歩行者は信号の音とともに止まっている。その向こう109の辺りからか街頭で何か行っている様子のPAの音。背後でははとが飛び立った音がして......
こうして我々は「あっ、渋谷だ!!」と認識しているんですよね。
でも、もし音が全く無かったら、又はのどかな音だったら....「渋谷だろうけれど、何か変!!!」ってなりますよね。音が視覚の整合性をとっているっていう感じお分かりいただけましたでしょうか?

では、かわって香港は....
  

「香港はエネルギーにあふれている」という表現をよく聞きます。これは宣伝の文句だけでなく、実際に香港を訪れた方も口々に言われますよね。
そんなにメチャクチャ美しい町並みがわる訳でもないですし、どの国にも負けないぐらい人々が勤勉な訳でもありません。もちろん銅鑼湾やTSTなどの人込みを指しているのでしょうけれど、それだけならば日本でも、他の国でも雑踏は一杯あります。
しかし決定的に異なるのは......雑音、とくに話し声の大きさですよね。何を話ししているかわかりません。ひょっとすると「もう死にたいわ....」なんてこと言っているのかも知れませんが、広東語になると「ワシ死ぬで、死ぬで、ホンマに死んでしまうかもしらんけれど、それでもええんかいのぉ〜!!!」 妙に元気で、ケンカでもおっぱじまるのかと思うほどウルサイ。。。(笑)
香港に来た全ての人が経験する広東語の会話....地下鉄で香港人二人が会話しています。だんだん語気が鋭くなり罵声の様になってきます。それにつれて目も険しくなりけんか腰の眼差しの応酬。すわケンカか......と思ったら....1人が下車するようで、握手して笑って降りました。「えっ、いまのケンカじゃないの?」茫然とする私。。。みたいな感じありますよね(笑)


この雑音....いえ環境音(笑)....の上に、視覚から来る雑踏、嗅覚から来る得たいの知れない臭いのハシゴ(笑)....これが香港のイメージとして世界中の人に定着しているのでしょう。


こんなクイズ番組あったら面白いと思いません?
『聴覚クイズ』回答者は全員目隠しをしています。
司会者;「さぁ、次の雑踏の音はどこの国??」
ウルサイ雑踏音が出題される度に回答者が「香港!!」って答えるんでしょうねぇ。(苦笑)


ブログ・ランキングに参加しています。ここを押していただけるとアナタからの一票が当ブログに入ります。宜しくお願いいたします。