嗅覚考
- 【匂いってすごい】
受取情報の80%が視覚で決まり、聴覚は注意を喚起したり、様々な補正の役目をしている。
時としては、突っ込んでくる車の急ブレーキ音などで九死に一生を得たり。。。
もちろんこれは音楽などを除いた「危険感知」の分野での話しですが。
....ならば嗅覚は??
毒カレー事件じゃないけれど、匂いで毒が入っているかどうかは判らないですよね。しかし、火事の様な「有害臭」については、嗅覚が一番優れている。
私も火事の経験が2度ほどあり、あの焦げた匂いは「恐怖」でもあります。
子供の頃に一度小火まで行かなかったのですが家の中に煙が一杯になって、あのイヤな匂いをかいだことがあります。火元は忘れましたが、かけ忘れたコンロの鍋か何かだったと思います。
そして高校生の頃、合宿で泊まった大部屋....宴会場でした。
夜中にまたあの「イヤな匂い」に飛び起きてみると、緞帳に燃え移るところでした。皆を起こし数の力でバケツリレーをして、何とか火事にならずに済んだのですが....
そういえば、あの賠償はどうしたのでしょうか? きっと宿側の保険でなんとかなったのでしょうけれど.... 火の気の無いところからの出火。あるのは蚊取り線香をおいた素焼きのお皿だけだった。。。
こんなことは一生の内でそう何度もあってもらっては困りますよね。
こういう危機的な匂いだけではありません。
高校生の頃は、桜の香りに新しい恋の予感を感じ、金木犀の香りに「秋の学園祭」の到来を感じ。。。
出会いと別れを繰り返し、いまもこれらの香りを嗅ぐと胸の底の方が「キュン」となります。
もう三十年も経ったというのにね(笑)
私の香港の記憶は全て匂いの中。
咲き誇る花の匂い、その後に来る果物が実ってくる匂い。。。 アップルマンゴ、パッションフルーツ、ライチ、ロンガン..... 甘い香り。。。
それら全てが私にとっては、香港のイヤな匂いだったのです。
日本では絶対にありえない匂いに、日本からはるか離れて孤立している自分を感じたものです。
来港後3年ぐらいは毎日この匂いの中で頭痛の連続でした。
しかし...いまは....もう匂わないのです。
鼻で嗅ぎ分けられていた匂いが当たり前になる....どうも自分の生活がその地で溶け込んだ証の様です。
5年、10年のサイクルで新しい土地に住んできて、その土地の匂いが判らなくなる頃...それは常にその土地との別れのサインの様に思ってきたものです。それが匂いに対する私の学習。
そろそろ香港とも.....とういう予感がしてなりません。
どの季節の匂いの中、私は香港を離れていくのでしょうか。
その時の匂いを記憶の中に納めたいものです。。。
その日のために.....タバコを減らそう、できればやめようと思う今日この頃です。
あなたの匂いの記憶は?
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