香港トラブル・チャンプ　第二回

marktheshadow2005-06-12

【工場に住みついた女】　

さて住居に関して、トラブルが続いた彼女は違法建築の家から夜逃げすることになりました。(笑)
ベランダに部屋を増築するのは、香港でもよく見られることなんですね。例えば屋上にサンルームを作る...というようなパターン。コンクリートではなく、いつでも撤去移動できる「鉄骨ボ
ルト締め」の簡易建築の場合は良いのですが、これだと隙間から風・雨が吹き込んでしまいます。最初のウチは簡易建築だったものが、家族の増加とともに「まともな部屋」として追加工事を行った途端...違法になっちゃう。ちょっと可愛そうな気もします。
彼女が住んでいたのも、こうしたベランダに違法建築したものだったわけです。香港政府としてみれば前回の話の様な「天井が落ちて」死傷者が出ると困るわけです。どちらの気持ちも分かりますよねぇ。。。

で、仕方なく彼女は知り合いに現状を話しました。
ある人の良い社長さん、よっぽど気の毒に思ったのでしょう

社長；「ウチの工場にあんたの机置いてあげるから、来なさい。事務所代はウチの仕事も手伝ってくれたらタダでいいから。」
彼女；「えぇぇぇええええ、いいんですかぁぁぁぁあああ!!」
社長；「どうせ工場もまだ使っていないスペース一杯あるし、荷物も持ってくればいいですよ。」
彼女；「どひゃぁぁぁああああ！荷物も預かってもらえますですかぁ〜、感激ぃぃぃぃいいい!!」
社長；「荷物の中にベッドかソファ持ってる？」
彼女；「えええ、ごちゃまんとぉぉぉおおお」
社長；「じゃ、ちょっと不便かも知れないけれど、しばらくだったら泊まっても...」

彼女；「はいはいはいはいはいはいはい。泊まります、絶対泊まりますぅぅぅぅうううううう!!!」

こんなおいしい言葉はありません。なんせ事務所代も、倉庫代も、居住費もタダなのですから。
社長さんも後で後悔なさっていることでしょう。。。(笑)
工場って言っても香港の都市部「湾仔」にあるビル内。街中であっても香港には「倉庫・工場」に使えるビルがたくさんあります。

それまで、香港の下町にしか住んだことのない彼女にとって、湾仔は夢の様な都会なのです。

しかし...そうそう良いことは続きません。。。。っていうか、しばらくっていう約束を「永遠に」と勘違いしている彼女も問題なのですが。。。(笑)

ある夜電話をしました。
mark；「お久しぶりぃ〜。どうしてんの最近?」
彼女；「いま例の湾仔の工場に住み着いてるんだけれど、暑くって」
m；「えっ、オフィースもあるんでしょ?? そこだとエアコン付いてるでしょ??」
彼女；「うん...だけれど、5時にはエアコン用のメイン電源落とされるんよぉ〜」
m；「じゃその後は.....」
彼女；「地獄の様な暑さが、はじまるの。他のビルのエアコンの熱気も入ってきて...サウナ状態?! それが朝まで続くのぉ〜」

次の週、日本に帰省が決まっていた私は、パッチ君のえさをやりにウチに来て留守番してもらうことを提案しました。で、その夏はなんとか乗り切り。。。

冬が来ました。
さすがにビルの中じゃ寒くなかろうと思っていたのですが、今度は冷蔵庫の中の様に寒いとのこと。なんと厚着に厚着をしてダルマさんの様になっても寒い。。。(笑)
丁度また帰郷が決まっていたので、ウチで留守番を頼んだのです。

「いやぁ〜、やっぱり自然環境で生活するのは体にいいよねぇ〜」
絶対にへこたれない彼女であった。(苦笑)

【本日の教訓；心頭滅却すれば、お人好しの知り合いが助けてくれるはず...(苦笑)】