竹文化

marktheshadow2005-05-14

【ところ変われば....】
香港・中国に旅行した際、高い確率で驚かれるのが「竹文化」ではないでしょうか。

ビルの建築でも、竹の使用量は半端ではありません。中国では、各階の天井・床のをつくる際に竹が使われています。といっても構築物自体に使われるのではありません。イメージ的にはタバコを机の上に何十本も立てて、その上にタバコの箱を置いた感じ?!
お分かりでしょうかねぇ??(笑) タバコの箱の中にコンクリートを流し込めば天井なり床になりますよねぇ。 コンクリートが固まれば竹を抜いていく。(もちろんコンクリートの柱
で天井は固定されますので落ちてきませんヨォ〜(笑))
これを階数分繰り返していくわけです。 水平な天井・床を心がけて作っているとは思うのですが、竹も少しずつ長さに誤差がある。 それが階数分続けられると...凸凹が出来ちゃうわけですよ。(笑)
まぁ、最近の高層ビルではこういうことはマレになってきているかも知れませんが、2〜3階建てでしたらいまだにこの方法です。 ですから、室内でゴルフのパター練習をしようと思っても難しいところもあります。「打つ前に転がる」「打っても戻ってくる」マンガみたいなことが起こるわけですよ。(苦笑)
部屋の中ならまだいいのですが、それだけでは終わらない。 やっぱり(苦笑)。 屋上も同じ工法で作ってますから、デコボコ。。。大雨が降ると屋上が即席プール状態になるビルもあって。。。当然雨漏りもしますよねぇ。。。修理のいたちごっことなるわけです。
ということで、こういう工法は次第に減ってきている...いえ減ってきていることを祈る次第です。(笑)

で、これが香港になるとさすがにこういう工法はなくなってきています。しかし、依然として引き継がれいまも第一線で使われているのが「外装工事の竹足場」です。
これ専門の業者さんがいて(業種的には「棚業」というようです)、実に見事に竹で足場を組み立てていきます。 以前日本の大手建設業の方にお話を聞きましたが、この竹の足場、日本では認可されていないそうですが、実に合理的だそうです。 

  • 軽い 鉄パイプと比べれば竹ですからネェ、当然軽い。手渡しが可能。
  • しなやか 足場の上で重い荷物を運んでもショックを吸収します。足の疲労度が違う。
  • 接合簡単 足場の要所要所は、鉄線で縛るだけ。解体の時はポチポチ切っていくだけ。


上記の様な感じですから、かなり高い足場を組むにしても後期が短い。鉄パイプの足場一階部分作っている間に、竹だと数階分できてしまうわけです。
場合によっては、ビル途中階窓・フロアの出っ張り辺りから突然足場を組む場合も。。。空中に浮かぶ足場...みたいな感じも可能なのです。
私この作業を見るのが好きなんです。命綱など一切つけず、下から竹を渡す者と受取る者の呼吸を合わせてどんどん、アッという間に作っていく。ある種芸術です。「サーカス」を見ている様ですらあります。

ところが、先日この足場が問題を起こしたのです。
足場作業中に材料や工具を落とすと、路上を歩く人にダメージを与えることがある。。。そのため足場には防護ネットをつけなければならないのです。これ日本でも同じですよね。。建設現場に行くと緑のネットにビルが包まれている光景見かけますすよねぇ。
台風が香港直撃した際に問題が起きていたのですが、今年の5月10日の大雨の日にそれが起こったのです。(って、私は後から聞いただけなんですがね(笑))
この日の大雨は強い風もともなっていました。もともと軽量がとりえの竹の足場。これにネットとはいえ布を全面に付けている訳ですから....そう凧(たこ)と同じ構造な訳です。しかも要所要所はビルと針金でつないであるものの、強風で引きちぎれ飛んだから(落ちた)から、さあ大変。当日の大雨(雷雨)も手伝って、主要幹線の一本が完全にストップ。6時間交通マヒが続いたといいます。バスの乗客は尿意をもよおし運転手とケンカになるわ、ガス欠になる車が出るわ....で大変な騒ぎだったそうです。

毎年台風などの強風により事故が発生しているのですが、『竹足場ファン』の私としては法的に使用不可にならないことを祈るばかりです。 受け継がれてきた文化は一旦断ち切ると、再生できないのですから。

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