出世魚
【あなたは気に入ってますか?】
あるローカルの元社員と街で出会いました。偶然とはいえ、彼女が退職して5年経過する間に過去2回こうやって出会っている。(といっても同じ郊外に住んでいるのだからありえる話だが)
彼女の話をまとめると、どうしても『出世魚』という言葉が浮かんで来るのです。
最初ウチに入社した時、彼女は"Baby"と自分のことを名乗ったのです。日本語で「赤ちゃん」じゃない?!...その時期もう一人入社したのが"Apple"「りんごちゃん」でした。時々ふざけては二人のことを「赤ちゃん」「りんごちゃん」と呼んでいたものです。日本でありえない呼び名をここ香港で使う面白さがありました。
そして、二回目にバスの中であった時、『赤ちゃん』は名刺を出し「"Eve"でぇ〜す」と名乗ったのです。『赤ちゃん』が『Apple』と同時期働いて、次にあったら『Eve』なんて、なんか出来すぎた名前の変え方だナァ〜と思っていました。(その時一緒に居た彼は"Adam"だったのだろか?(笑))
その次に通りで出会った時は名前を「Charlotte」に変えていました。
「君ナァ、何回名前変えるつもり??」と笑いながら名刺を受取ったものの、また次に会う時は名前が変わっているんでしょうねぇ。
なんだか、正に『出世魚』みたいじゃないですか?!(笑)
こういう例は珍しいとしても、英語名を持っている香港人って多いですよね。その昔、英語教育をするために英国から連れてこられた教師にとって香港の人々の名前は識別別しにくい...陳さん、張さんなど一部の苗字の人ばかりで、呼び分けが難しいのです。「陳さぁ〜ん」なんて点呼取ると、クラスの半数近くが手を上げる訳ですから(笑)。小学校(幼稚園か?)に入った子供が最初に考えなきゃいけないのが『自分の呼び名』だそうです。皆それぞれ一生懸命考えてつけた呼び名ですからナカナカ面白い。(親にそそのかされた場合もあるそうですが)
もちろん、クリスチャンネームの場合もあります。
英語名・フランス語名・ラテン語名、最近では日本語名も見受けられます。
「どう考えれば、自身にそんな大それた名前付けることできるの??」「ちゃんと鏡見た?」と疑いたくなる名前もあります。(苦笑)
例として...いつもこの名前を聞くと笑ってしまうのが、女性の"Bobo"ちゃん。それって九州で使われる隠語じゃん!!(笑)
この制度(といって良いのか?(笑))は、ある意味すごく機能的と思いませんか?!
日本では成長したときに「名前とイメージ違うじゃん」と、親に付けてもらった名前を苦にする人もいるでしょ? で、名前を変える手続きがこれまた一苦労。
この方法ならば、幼い頃とはいえ自分で決めた名前を付け足すのですから、年取ってもすんなりいく。しかも戸籍としての登録もできる。
単純なことなんだけれど、この発想って日本にはないですよねぇ。というか日本にだけ無いのでしょうかね?
名前でもうひとつ思い出したのが、苗字の登録方法。
ここ香港では結婚しても奥さんは元の苗字のまま。生まれた子供はお父さんの名前を頂きます。ちょっと前に日本で話題になっていた『結婚時の苗字不変更』の問題もありません。これってすごくない?
私生児の場合、お爺さんの苗字をいただくことも(=お母さんと同一の苗字)、宿した責任となった相手(笑)の男性の苗字をいただくこと=勝手な苗字をつけることができるんですよ。
全然関係ない『スターの苗字』だって付けられるんですから!!
日本の名前で言えば、「綾小路」だろうが、「源」であろうが...
[そんなん付ける親おらんやろぉ(笑)]
出生届けに「ちゃかちゃかぁ〜」って勝手に書けば良いのです。判子も何もいりません。
私生児の子供はある日悩むんでしょうなぁ。「私の苗字とお母さんの苗字違うじゃん、コレ誰なのよぉ〜」とか「私とお母さんの苗字一緒だから、『私生児』って陰口たたかれちゃったじゃん。お父さんは誰??」などという会話がニコニコと平然と話されているのでしょうかねぇ?
[シングルマザー多いんですよ。大変だと思いますが、頑張って下さい]
ひょっとすると、昔むかし香港の豪族であった長が、女中さん達を端から手を付けていった。その腹いせもしくは、豪族の親族と言いたい女性達が皆長の苗字を子供につけた結果が、いまの特定の苗字への集中化を生んだのでしょうか? 陳さん、張さんって『絶倫』の家系??(笑) [昔々の日本も同じような感じで、苗字選んだ頃ありましたよね、確かに....]
う〜ん、ナゾが一杯。。。
いずれにせよ、出産後苗字を選ぶことができ、幼少時に自分で呼び名を付けることができるって、なんだか『出世魚』みたいですよネェ〜。
アナタの会った「こんな名前はないやろぉ〜」という例や、「もし自分で名前をつけるとしたら」というコメント下さいな!!
