ブラックホール化するマーケット
11/24の祝日、ぶらり大阪の梅田に出向いた。
15年以上まともに梅田界隈を歩いていないことに気づく。
ビルの名称が変り、住宅地が商業地化し、行きつけだった呑み屋の看板がなくなり...もう自分がいきていた街ではなくなっている。
ちょっと寂しい気持ちがよぎった。
当日は散策ついでに買い物目的があったのだが...
お目当ては、最近通勤に使い出した自転車の改造用=ハンドル周りにつける=部品。
もちろん高槻近郊のショップや専門店で物色はしているのだが、なぜかお目当ての部品自体がない。
ネットで検索すると存在するのだが、全て遠方のショップばかり。
改造用のパーツだけに、できれば「見て」「触って」自分の自転車にフィットするか否か確認したいのだ。
こんな事情から百貨店のスポーツ専門ビルや専門店を回ってみようと思った訳だ。
結論は...無かった。
一瞬頭の中がボォッとした。
わざわざバス代と電車代をかけて遠出した百貨店関連の店にも無い...いや関連部品関係の品揃えでいけば家の近くのショップが断然勝るくらいなのだから悲しくなる。
周囲を見渡してようやく異様さに気づいた。
スポーツ専門ビル・ショップのはずなのに「機能的商材」がほとんどないのだ。ほとんどが似たり寄ったりのデザイン物=ブランド的商材ばかり。
ファッションならデザインは機能と同様大切なファクターだが、スポーツ商材は「機能」が生命線。
そういう意味では、私が捜し求めているような「改造=改良部品」などはまさに重要な商材なのだが。
昔「百貨店=週に一度、家の近所で手に入らない商品を買いに行く店舗」と学び、実際に百貨店の方々と商材づくり・さがしを行ったものだ。
しかし、その百貨店が「難しい商材販売を諦めた」というしかない。
ネット社会になり、なんでも取り揃う「『百貨』の店」というコンセプトから「オシャレ」だけに特化した店に転進したのだ。
なんとなく肌感覚では判っていたことだが、市場の劇的...しかも現在進行形の...変化が頭の中で現実化した。
「商業構造の中でドエライ事が起こる」と。
- 百貨店は一部富裕層と若者向けの「ブランド」集合店でしか存在できなくなる。
- 専門的な店頭販売は「電気街」や「調理器具横丁」などの有名な地域だけしか生き残れなくなる。
- 郊外は基本的商材を集めたショッピングセンターや、ホームセンターだけとなる。
- 食材もネットが主流の時代が到来する。
そして...ネットでの購買が市場販売高の半分以上を占める時代が到来する。
住宅街近くで開いているのはコンビニエンスとレンタルビデオと銀行だけ。歩道を歩くものもなく閑散とした街が続くのみ。
皆家に引きこもり、半日以上ネットで商品を検索する日々が続く。
怖い...
ここで、視界がはれた。
「昼飯だけ喰って帰ろう」
580円の定食。
これがその日唯一の梅田での消費行動だった。