大型二輪飛び込み試験奮闘記Ⅴ
痛い右手をかばいつつ...行きました
(写真は香港時代の出社風景です)
昨日の話じゃないけれど、慢心した心でしでかした事故の後遺症は結構大きかったのです。
昨日「右手首に痛みが残っているようなら、今回の受験は無理だからキャンセルするよ」と妻に言い残し調子を見ていたのですが痛みは残っている。スロットルひねるのも痛い。
しかし、神様がくれた慢心に対する戒め。
受けて見ることにしました。
「今日は絶対受からないから、楽しむよ」
そういう気持ちで行きました。
前回試験官に指摘された凡ミスは仕方ないとしても、安全確認だけでもキチンとしてみようと...
7:45AMには試験所につき、コース確認しながら安全確認のチェック重視。だって左右にハンドル切るだけでも辛いのに、アクセルワークはまず無理。(泣) どうせダメなんだから気持ちを切り替えて「試験官はどこを目印にチェックしているのか」相手の気持ちになってみた。いわゆる左折の時はどこを通過するとOKと分かるのか?右折時の右確認はどのポイントで顔を動かしたらOKとするのか...なんてね。
そうしたら、思わぬ目印が目に留まった。白線を引きなおした跡が無数にあることに気づいた。そして直進+左折などの道路上の印刷(?)が目印になっていることに気がついた。要は目印が無いところは判定がしにくいということだ。そこを一つ一つ確認したら出てくる出てくる。(笑)
でもどうしても一抹の不安があった。
前回試験官に指摘された「朝のビデオ見た?」という言葉を思い出し待合室へ。
やってました!!
「乗り込みから降りるまで試験」といわれているものの、確認すべき内容って、一体どうやったらいいかわからないのが本音。13年前に中型二輪を教習所でとったときは、「タイヤの確認、ターンシグナルの確認...」と細かい確認のオンパレードでした。ところが...ビデオを見てみると拍子抜けするぐらい簡単。
しかし、要点は突いている。
もし発信時後ろから暴走車両がいたらどこをチェックしておくべきか...端的に画面の中に盛り込まれているではないですか。
「いままでキョロキョロしすぎ。肝心なポイントを突いていない」ことに気がつきました。そして試験前の合同説明会。その中に白人の25歳ぐらいの男性が前に座った。見ていたコース図から二輪試験であることが分かった。
試験官の説明が始まったものの、彼は全然注意していない。
「日本語分かる?」「ダメェ〜」
その一言で急に通訳者になった私。
調子乗りですからねぇ。急に楽になった(笑)
聞いてみるとハワイ出身で1ヶ月前に日本に来たところという。
仕方ないので日本の交通ルールの難しさについて伝授開始。
試験コースに移動すると一緒についてくる。自分自身のおさらいの意味も含めて、今朝調査しつくしたポイント=各コースでどう動き、どう安全確認をせねばならないか知るうる限りのことを教えた。
今日は幸運にも受験者の中でも後半の試乗。
彼と一緒に「この人信号直進の時に左右確認しなかったね」「いまの左折左後ろから自転車が来るかもしれないという気持ちの確認なかったね」などとポイントの再確認をさせてもらいました。スッゴイ復習になった。
「これで右腕がまともなら...」悔やむことしきり...
相変わらず右肩から右手首までグタッと重い。
「まぁいいや」「試験官にもっとアドバイスがもらえたら、次回こそ...」なんて思いながら試乗。
慣らし運転(1ブロック走ってくるだけ=バイク固有のクラッチの状態などを調べるテストラン)の途中から試験管がもそもそ試験コース上で動いているのが見えた。
「慣らし運転は採点外なんだ!!」疑問の一つだったものも氷解し、気分は楽に。
慣らし運転から帰ってきて、試験開始場所に戻った私に「ちょっと待っててねぇ〜」と試験官。
待っている間にも右肩から腕が寒さで痺れてきた。不安...
試験前のコース説明の時に妙に饒舌な試験官を見て「今日は試験官、機嫌がいいなぁ〜、ラッキーちゃう??」と口々に言い合っていた試験場の友の会話を思い出した。
変なミスさえしなければ、通るかも知れない。。。
右手さえ普通なら...
試験開始...
慣らし運転でも激痛が走ったが、試験となると右へ左へ小刻みな動きの連続。しかし、いけるところまで今朝会得した「安全確認」「チェックポイントの整合性」だけは確認しておきたい。ゆっくりでも仕方ないじゃないか...妙に割り切って走っていたら、第一回目に落ちたクランク路も無事通過。といってもやっぱり安全確認=顔を確認方向に振る動作が右肩の痛みから無理がだんだん出てきた。
「最後の波状路だ...」ここでは突起の出ている道を立った姿勢で低速でクリアーしなければならない。
「立った状態で」と簡単に書いたが、過去そんな経験もない。ところが朝のビデオで見た姿勢を思い出した。
『完全には立っていなかった。中腰でいいのだ』
途中であまりの低速に前輪を取られてこけそうになったものの、スロットルをあおり=激痛の嵐=なんとか通過。完全に頭は真っ白。
「次はどこ行くんだっけ??」
疑問符の一杯出ている私に試験官からの無線が入った。
「あ〜やっぱり今日もダメかぁ〜」
試験管「後は外周道路スピード出して帰って来なさい...」
「ダメだった。でも最後まで行けたんだ。いいトライだったじゃないか」
と思いつつ、ふと帰着ポイントを見た。
また試験官が外に出てきて、次の試験者の乗るバイクの準備をしているではないか。過去こんな姿を見たことがない私。
「ひょっとして行けたんとちゃうの??」
「いやいや、そんな甘くはないでぇ〜」
半信半疑で戻った私に試験官が言った言葉は...
「まぁ、しゃあないなぁ。合格にしたげるわ。」
正直嬉しかった。
世界で一番難しいとされる日本の運転免許の中で最高に通過困難といわれている大型二輪に見事成功したのだ!!
試験所の友達から思いっきりの祝福を受け安堵感から、右腕の痛みも吹っ飛びました。(笑)
しかも更によいことがあったのです。結局新しい免許をもらったのは4時近く。ちょっと時間かかりすぎにイライラしていた私。日本不在の間に自動的にゴールド免許になっていたのですが、当然新規取得になるから青色かと思いきやゴールド!! しかも裏面には「高速道路二人乗り可」と書いてある。
普通新規取得するとこんなことはありえるはずもなく、ましてや新規取得
年以内は3点以上の違反をするとテストがあるという。すぐに確認に行きました。
結論は「貴方の場合、海外ですでに乗っていた経験が3年以上あると確認していますから経験者であり、新規取得ではない」という。
海外に居住の皆さん。日本国内で免許持っていない場合、絶対海外免許のコンバートすることをお勧めしますよ!!
家に帰る道すがら考えた。
「もう少しルールや技術を学んでもよかったも...」なんて贅沢ですかねぇ。
しかし、これで香港赴任前からの唯一の目標であった大型二輪も取得できてしまった。
2006年8月8日の帰国以来丁度6ヶ月目の今日...香港赴任からすると9年9ヶ月で香港の全てが終了したことになるのだ。
香港との想いがここで終わったのかと思うと寂しい限りである。
香港時代にお会いさせていただいた皆様、このつたないブログを応援していただいた皆様にお礼を申したい。
本当にありがとうございました。
いやいや、まだまだ私の心には「香港」の火が燃えているぞぉ〜!!(苦笑)